SMB設定を詳しく

TrueNAS SCALEでSMB(Server Message Block)を使用してWindows共有フォルダを設定するプロセスを詳細に説明します。SMBは主にWindowsクライアントとのファイル共有に使われるプロトコルですが、macOSやLinuxでもアクセス可能です。以下は、SMB共有を設定する手順です。

1. TrueNAS SCALEでのSMBサービスの有効化

まず、TrueNASでSMBサービスを有効にする必要があります。

手順:

1. 「サービス」セクションに移動

左メニューから「サービス」をクリックします。

2. SMBサービスを有効化

サービスリストから「SMB」を見つけます。

右端にあるトグルスイッチを「オン」にしてSMBサービスを有効化します。

3. サービスの自動起動設定

自動起動を有効にするために、「自動起動」のチェックボックスをオンにします。これで、TrueNASが再起動した際にSMBサービスも自動的に起動します。

2. SMB共有フォルダの作成

SMBサービスが有効になったら、次は共有フォルダを設定します。

手順:

1. 「共有」セクションに移動

左メニューから「共有」をクリックし、「SMB」を選択します。

2. 新しいSMB共有の作成

「追加」ボタンをクリックします。

「パス」フィールドで、SMB経由で共有したいフォルダを指定します。このフォルダは、すでにZFSプール内に作成したデータセットまたはディレクトリを選択します。

3. 共有名の設定

「共有名」フィールドに、クライアントから参照する際の名前を指定します。これが、ネットワーク経由で見えるフォルダ名となります。

4. アクセス権限の設定

共有に適用するアクセス権限を設定します。

読み取り専用: クライアントがファイルを見ることはできるが、書き込みはできない。

読み書き可能: クライアントがファイルを作成、削除、編集できる。

ゲストアクセス: 認証なしで共有にアクセスできるようにする。このオプションは慎重に使うべきです。

5. 高度なオプション(オプション)

「高度なオプション」をクリックして、以下のような設定を調整できます。

ブラウザ表示: この共有がネットワークブラウジングで表示されるかどうか。

ホスト制限: この共有にアクセスできる特定のホストを指定できます。

SMBキャッシュタイムアウト: SMBキャッシュの時間を設定することで、ファイルアクセスのパフォーマンスを最適化できます。

フォルダACLの無視: フォルダのアクセス権(ACL)を無視する設定も可能です。

6. 共有の保存

設定が完了したら「保存」をクリックします。

3. アクセス権限(ACL)の設定

SMB共有を作成した後、共有フォルダへのアクセスを制御するためにアクセス制御リスト(ACL)を設定する必要があります。

手順:

1. 共有フォルダのACLを設定

「ストレージ」セクションに移動し、SMB共有として指定したフォルダを選択します。

そのフォルダの横にある3つのドットをクリックし、「編集ACL」を選択します。

2. ACLルールの追加

ここで、ユーザーやグループごとのアクセス権限を設定できます。

ルールの追加ボタンをクリックし、次の項目を設定します:

ユーザー/グループ: アクセス権を設定したいユーザーやグループを指定します。

権限タイプ: 読み取り、書き込み、実行の各権限を個別に設定できます。

3. ACLの適用

設定が完了したら、「保存して適用」をクリックします。

4. クライアントPCでのSMB共有のマウント

SMB共有が作成され、権限が設定された後、Windows、macOS、Linuxクライアントからネットワーク経由でその共有にアクセスする手順です。

Windowsの場合:

1. ファイルエクスプローラーを開く

アドレスバーに「\TrueNAS_IPアドレス」と入力し、Enterキーを押します。

例: \\192.168.1.100

2. 共有フォルダの表示

TrueNASサーバーに設定されたSMB共有が表示されるので、指定したフォルダをダブルクリックしてアクセスします。

3. 資格情報の入力

TrueNASで設定したユーザー名とパスワードを入力します。

ここで「資格情報を保存」を選択することで、次回から入力が不要になります。

macOSの場合:

1. Finderを開く

メニューバーの「移動」から「サーバへ接続」を選択します。

「サーバアドレス」欄に"smb://TrueNAS_IPアドレス"と入力します。

例: smb://192.168.1.100

2. SMBサーバーへ接続

TrueNASサーバーのSMB共有が表示されますので、適切なフォルダを選択して接続します。

Linuxの場合:

1. ファイルマネージャーを開く

「ネットワーク」を選択し、SMB共有を探します。

TrueNASサーバーが表示されたら、その共有フォルダを選択します。

2. CLIを使用して手動でマウントする場合

ターミナルでsudo mount -t cifs //TrueNAS_IPアドレス/共有名 /マウントポイント -o ユーザー名を使用してマウントします。

5. 共有フォルダの管理とトラブルシューティング

定期的にSMB共有の状態を確認し、必要に応じて設定を調整します。

トラブルシューティングのポイント:

1. 権限の確認

クライアントからアクセスできない場合、最初に確認すべきはアクセス権限です。ACL設定が正しく構成されているか確認してください。

2. SMBログの確認

TrueNASの「システム」セクションでSMBのログを確認し、問題を診断します。

3. ネットワーク接続の確認

クライアントがTrueNASに接続できない場合、ネットワーク設定を確認し、適切なIPアドレスが設定されていることを確認します。

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これで、TrueNAS SCALEでのSMB共有の設定と管理が完了です。正しく設定すれば、複数のデバイス間で安全かつ効率的にファイルを共有することができます。



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